カーテンレールの選び方と取り付けガイド|種類・測り方・DIYの注意点を完全解説
- 2025.10.20
カーテンの使い心地と見た目は「カーテンレール」が9割決める
お気に入りのカーテンを選んだ後、その「受け皿」となるカーテンレールをなんとなくで選んでいませんか?
実は、カーテンレールは単なる「カーテンを吊るす棒」ではありません。カーテンの美しいドレープを保ち、日々の開け閉めをスムーズにし、時にはそれ自体がインテリアの主役にもなる、窓辺の「縁の下の力持ち」です。
レールの選び方や測り方を間違えると、カーテンが綺麗に見えなかったり、最悪の場合は壁から落ちてしまったりすることも…。
この記事では、そんなカーテンレールの基本的な役割から、お部屋に合わせた種類の選び方、失敗しない採寸方法、そしてDIYで取り付ける際の最大の注意点まで、徹底的に解説します。
そもそもカーテンレールは必要?その役割と他の窓装飾との違い
まず、なぜカーテンレールが必要なのでしょうか。その役割を再確認しましょう。
カーテンレールの3つの役割
- カーテンを支え、スムーズに動かす: 毎日の開け閉めをストレスなく行うための最も重要な役割。
- カーテンの美しさを引き出す: レールの幅や種類が、カーテンのドレープ(ヒダ)の見え方を左右する。
- 窓辺のインテリア性を高める: レール自体が、空間のスタイルを決定づけるデザイン要素にもなる。
ブラインドやシェードとの違い
カーテンレールを使用する「カーテン」と、レールを使わない「ブラインド」や「ロールスクリーン」の最大の違いは、素材が空間にもたらす質感と機能性です。
比較項目 | カーテン(+レール) | ブラインド・ロールスクリーン |
窓辺の見た目 | 布の柔らかな質感。ドレープ(ヒダ)による優雅さ、温かみ、エレガントさ。 | 直線的な質感。モダン、スタイリッシュ、シャープな印象。 |
開閉方式 | 左右に引いて開閉。レールとランナーでスムーズに動く。 | 昇降コードで上下に巻き上げる、または羽根(スラット)の角度で調光。 |
レール | 必須。レールのデザインや設置方法が遮光・遮熱機能やデザインを左右する。 | 窓枠内にメカ(機構)を固定するため、レールは不要。窓周りがすっきりする。 |
向いている空間 | 温かさやリラックス感を重視するリビング、寝室。 | モダンさや機能性を重視する書斎、キッチン、シンプルモダンな空間。 |
結論として、布の持つ柔らかな風合いや、ドレープによる優雅さ、そして心安らぐ温かい雰囲気を活かしたい場合は、カーテンと、その魅力を最大限に引き出すカーテンレールを選ぶことが最適です。
カーテンレールの種類は大きく分けて2つ!【機能性 vs 装飾性】
カーテンレールは、目的によって大きく2つのタイプに分けられます。それぞれの特徴を知ることが、選び方の第一歩です。
① 機能性レール
- どんなレール? アルミニウムやスチール製が中心の、シンプルで滑走性能を重視したレール。カーテンの開閉が非常にスムーズ。
- メリット: 比較的安価で、どんな部屋にも合わせやすい。カーブさせられる製品もある。
- デメリット: レール自体に装飾性はない。
- こんな場所に最適: レールをカーテンで隠したい場合、寝室や子供部屋など、日々の使いやすさを重視する部屋。
② 装飾レール
- どんなレール? 木製やアイアン(金属)製など、レール本体や両端の飾り(フィニアル)のデザイン性を楽しむ「見せる」ためのレール。
- メリット: それ自体がインテリアの主役になり、お部屋のスタイルを格上げする。
- デメリット: 機能性レールに比べて高価。製品によっては滑りがやや劣る場合も。
- こんな場所に最適: レールを見せておしゃれな空間を演出したいリビング、ナチュラル・モダン・クラシックなど特定のスタイルを作りたい部屋。
ポイント:ダブルとシングルの違い
厚地のドレープカーテンと薄地のレースカーテンを両方吊るす場合は「ダブルレール」、どちらか一方だけの場合は「シングルレール」を選びます。
カーテンレールを構成する部品の名称と役割
レールの部品名を知っておくと、購入や取り付けの際に非常にスムーズです。
- レール本体: カーテンを吊るすための主要部分。
- ランナー: レールの中を滑る車輪やリング。ここにカーテンのフックを引っ掛ける。
- ブラケット: レールを壁や天井に固定するための金具。
- キャップストップ: レールの両端に取り付け、ランナーが抜け落ちるのを防ぐ部品。
- フィニアル: 装飾レールの両端に付ける飾りのこと。デザインの要となる部分。
失敗しない!カーテンレールの正しい測り方(寸法の決め方)
ここで間違うと全てが台無しに。正しい採寸方法をマスターしましょう。
① レールの幅(長さ)を決める
基本の計算式: 窓枠の外側の寸法 + 20cm以上(片側10cmずつ)
なぜ長くする? カーテンを開けた時に、窓ガラスにカーテンがかからず、光を最大限に取り込めます。また、両サイドからの光漏れも防げます。
② 取り付け位置の高さを決める
基本の位置: 窓枠の上端から10〜15cm上
なぜ高くする? 窓が縦に大きく見え、お部屋に開放感が生まれます。また、窓枠の上からの光漏れを防ぐ効果もあります。
DIYで挑戦!カーテンレールの取り付け方と最大の注意点
取り付け方の2つのタイプ
- 【正面付け】:窓枠の上の壁面に取り付ける最も一般的な方法。
- 【天井付け】:天井や、窓枠の内側の天井面に取り付ける方法。窓をすっきり見せたい場合や、エアコンなどがあり壁面に付けられない場合に。
【最重要】必ず「下地」を探すこと!
- 下地とは? 壁の石膏ボードの裏側にある、柱や間柱といった構造材のこと。
- なぜ重要? 石膏ボード自体には、カーテンとレールの重さを支える強度がありません。下地のない場所に取り付けると、ほぼ間違いなくレールごと落下します。
- 下地の探し方 【下地センサー】:ホームセンターなどで購入できる最も確実な道具。 【壁を叩く】:壁をコンコンと叩き、音が「コンコン」と詰まった硬い音に変わる場所が下地です。
取り付け手順(ステップ・バイ・ステップ)
- 準備するもの: 電動ドリル、ドライバー、メジャー、水平器、下地センサーなど。
- 取り付け位置のマーキング: 測った寸法に基づき、ブラケットを取り付ける位置に印を付ける。
- ブラケットの取り付け: 下地があることを確認し、ドリルで下穴を開けてから、ブラケットをネジでしっかりと固定する。
- レールの設置: ブラケットにレールをはめ込み、固定すれば完成。
カーテンレールは、カーテンの価値を決める名パートナー
カーテンレールは、決して脇役ではありません。 お部屋の用途に合わせて「機能性」と「装飾性」のどちらを優先するかを決め、正しい寸法で設置することで、初めてお気に入りのカーテンがその魅力を100%発揮します。
DIYで取り付ける際は、何よりも「下地探し」を徹底することが成功の鍵です。 この記事を参考に、あなたの窓辺に最適な「名パートナー」を見つけて、毎日の暮らしをより快適で美しいものにしてください。

🖋️ 太田雅也(プランナー・カーテンアドバイザー)
施工する立場からカーテンの販売、取付に関する疑問をアドバイスさせて頂きます。 一押しのカーテン:【川島】やっぱり男はギターが好き。(弾けないですが…)